子どもたちの読書の時間: 3 分
昔、おんどりとめんどりがいて、一緒に旅をしようと思いました。それでおんどりは、四つの赤い車輪がついている美しい車を作り、それに四匹のネズミをつなぎました。めんどりがおんどりと一緒にその車に乗り、一緒に出かけました。まもなく猫に会い、猫は、「どこに行くの?」と言いました。おんどりが、「コルベスさまの家にいくところだ。」と答えました。「一緒に連れてってよ。」と猫が言いました。おんどりは、「いいとも。後ろに乗って。前だと落ちるかもしれないから。赤い車輪を汚さないように気をつけてね。車輪たちや、転がれ。ネズミたちや、チューチュー鳴け。僕たちはコルベスさまの家へいくところ。」
このあと、石臼が来て、それから卵が、それからあひるが、それから留針が、最後に針が来て、みんな車に乗り、一緒に行きました。ところが、コルベスさまの家に着くと、コルベスさまは留守でした。ネズミたちは車を納屋に入れ、めんどりはおんどりと一緒に止まり木に飛び、猫は暖炉のそばに座り、あひるは井戸の柱の上に座りました。卵はタオルの中へ転がって入り、留針は椅子のクッションに刺さり、針はベッドに飛び乗り枕の真ん中に刺さり、石臼は戸の上に寝ころびました。
それからコルベスさまが帰ってきて、暖炉のところに行き、火をつけようとしたら、猫がコルベスさまの顔に灰を投げつけました。コルベスさまはその灰を洗い落とそうと大急ぎで台所へ走っていきました。するとアヒルが顔に水をはねつけました。コルベスさまは水をタオルでふこうとしましたが、卵が転がってきてぶつかり、壊れて両目をのりづけしてしまいました。コルベスさまは休もうと思い、椅子に座りました。すると、留針が刺しました。コルベスさまはかんしゃくをおこして、ベッドに寝転がりましたが、枕に頭をのせた途端、針が突き刺しました。それでコルベスさまは大声で悲鳴を上げ、怒って広い世界へ走り出て行こうとしましたが、家の戸口に来ると、石臼が落ちてきて、コルベスさまをつぶし殺してしまいました。コルベスさまはきっととても悪いひとだったにちがいありません。